愛知で葉ネギ生産!伝統野菜の越津(こしづ)ねぎとはどんな野菜なのか?

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愛知県の農業は、ビニールハウスを活用した施設園芸が盛んなことが特徴です。そのため、農家1戸あたりの耕作面積は比較的狭いものの、高い土地生産性を誇ります。そんな愛知県で生産される伝統野菜のひとつが「越津(こしづ)ねぎ」です。今回は、愛知県の葉ネギ生産のうち、伝統的なこのねぎについて解説しましょう。

愛知の伝統野菜・越津ねぎの葉ねぎ生産

越津ねぎは、愛知県津島市発祥の伝統野菜で、江戸時代には徳川将軍家にも献上された歴史を持ちます。千住群と九条群の特徴を併せ持つ中間的な品種で、葉も白根も柔らかく、食味に優れているのが特徴です。この特徴から根深ネギの技術を活かして葉ねぎ生産をするといったイメージで生産が行われています。冬どり栽培が行われ、冷涼な気候を好むため、11~3月に最適な生育が行われます。栽培は尾張地域を中心に行われ、秋冬ネギの作付面積44haのうち、約86%を越津ねぎが占めているのが特徴です。ただ、生産者の高齢化が進んでおり、省力化を目的としたチェーンポット定植機の導入が進められているのもポイントです。

葉ねぎ生産とはそもそも何なのか?

葉ネギ生産とは、緑の部分が長く、葉先まで食べられる「葉ネギ(青ネギ)」を栽培・出荷することを言います。主に西日本で好まれ、関西の料理に欠かせない食材です。葉ネギは耐寒性が強く、周年栽培が可能で、家庭菜園でも育てやすい特徴があります。代表的な品種には「九条ネギ」などがあり、土寄せをせずに栽培されるため、白い部分が少なく、葉の部分が豊富なのが特徴で、薬味や料理の仕上げに適しており、幅広い料理に活用されます。

葉ねぎ生産と万能ねぎ生産は違う?

葉ネギは、緑の部分が長く枝分かれし、葉先まで食べられるネギの総称です。主に西日本で栽培され、「青ネギ」や「小ネギ」とも呼ばれます。一方、万能ネギは葉ネギの一種で、九条ネギ系の品種を若採りして商品化したものです。クセが少なく食べやすいのが特徴で、薬味や料理の仕上げに最適です。どちらも緑の部分を活かして、幅広い料理に使用されます。基本的な生産は葉ネギ生産と同じですが、細かな部分で専門農家の技術が求められます。