電線の作り方

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電線はどうやって作られるのか?

今では生活に欠かせない電線。どうやって電線は製造加工されているのか、意外と知られていません。電線には色々種類がありますが、通信用電線を例にして製造方法についてまとめました。
電線には、様々な工夫が施されています。

伸線と焼鈍

最初に手掛けるのは、伸線です。銅線を補足長く伸ばしていく作業をします。銅線を細く長くするのは、ダイスと呼ばれる金型です。金型の真ん中に穴があいており、銅線を通すことで細く長くしているという訳です。
ただ単純に銅線を伸ばすのは、難しい作業。そこで「焼鈍(しょうどん)」で、銅線を加熱。柔らかくすることで、確実に銅線を伸ばしていきます。焼鈍を施すことで、途中でポキッと銅線が折れることはありません。

プラスチックの出番

伸線が終わったら、プラスチックをかぶせます。銅線がむき出しのままだと、事故に繋がりかねません。プラスチックはトロトロに解けた状態で、銅線に覆いかぶさるように加工。プラスチックをかぶせる作業が終わった銅線は、かなりカラフルなものになります。
カラフル仕様になっているのは、後の作業をやりやすくするため。オシャレのためにやっているのでは、ありません。見た目だけは、電線の完成です。しかしこのままでは、通信用として使うのは不可能。

より合わせの作業

そこで次に執り行われるのが「より合わせ」の、作業になります。複数の電線を束ねることにより、性能をあげようというわけです。ちなみに、街をつなぐ電話線は4本の電線をより合わせて作られています。
「より合わせ」が終われば、次に「ユニットより」です。4本の電線に5本より合わせます。数をどんどん増やしていき、最終的には400本を束にするという訳です。

最後の仕上げ

電線は外に設置されるため、雨風に毎日のようにさらされます。災害が起きた時に電線に異常があれば、生活は不可能。そこで登場するのが「シース」です。シースは雨風に強く劣化しにくい素材で作られたカバーのことで、400本束になった電線をカバー。
電線の製造加工は生活を豊かにするだけでなく、人々の安全を守るために作られています。