香川の米不足問題について
香川県の小豆島は、オリーブだけでなく、美しい棚田の風景でも知られています。
海を望む段々畑には季節ごとに色づく稲穂が広がり、島の食文化と景観を支えています。
しかし、その美しさの裏側には、深刻な問題が潜んでいるのです。
香川といえば、うどんの県という印象が強いですが、実は米も地域の重要な食文化の一つです。
ところが最近、農家から「今年は米が足りない」「収穫量が思ったより少なかった」といった声が聞かれるようになりました。
香川でも米の値上がりは深刻?
最近スーパーに行くと、香川でも「お米が高くなった」と感じる人が増えています。
かつては5kgで2,000円前後だった銘柄米が、今では2,500円を超えることも。
これは決して“気のせい”ではありません。
全国的な米の値上がりが続く中で、香川も例外ではないのです。
農家の生産コストは上昇の一途。
肥料、燃料、機械メンテナンスなど、どれもが高騰しています。
それに加えて、水の確保が難しくなる年もあり、収穫量が落ちれば、当然価格にも反映されてしまいます。
米の値上がりは、ずっと続くの?
「このままずっと米が高くなり続けるの?」と心配になる人も多いでしょう。
実は専門家の間でも、その答えは「イエスでもありノーでもある」という曖昧なものになっています。
というのも、今の米価上昇は単なる物価上昇だけでなく、気候変動や農業構造の変化が背景にあるからです。
昔ながらの「米は余っている時代」は終わりを告げつつあります。
ただし、希望がないわけではありません。
例えば、スマート農業やAIを活用した栽培管理に取り組む若手農家が香川にも登場しています。
コストを抑えながら品質の良い米を育てる新しい試みです。
米の農家の現状とは
香川の米農家に話を聞くと、「天気と資材費に毎年振り回されている」と語る人が多くいます。
かつて“当たり前”だった米作りも、今では綱渡りのような仕事になっているのが現実です。
高齢化が進み、農作業の担い手が不足していることは大きな課題です。
特に中山間地域では機械の入らない棚田も多く、重労働の割に収益が見合わないことから離農するケースが後を絶ちません。
一方で、若手が取り組む“新しい農業”も生まれています。